空間識失調 2019 4 27

 「空間識失調」とは、聞きなれない言葉ですが、
多くの人が、似たような感覚を体験しているかもしれません。
 たとえば、高速道路で、時速100Kmで長時間走行した後で、
インターチェンジで一般道路へ降りた時に、
一般道路ではスピード違反と思える速度でも、
たいていの人が「遅い」と感じるのです。
 このような場合は、人間の感覚が狂っているので、
計器(速度計)で速度を確かめることが必要です。
 「空間識失調」とは、
ベテランのパイロットでも経験すると聞いたことがあります。
 飛行場の滑走路は、水平が望ましいのですが、
立地条件によっては、滑走路に勾配がある時があります。
 このような場合には、教科書的には、
滑走路に進入する高度を勘違いしやすいと言われます。
 極端な事例では、戦闘機で、
ドッグファイトのような激しい飛行を行うと、
空間識失調が起こって、
青空へ向かって上昇したつもりが、
海に向かって降下していたということがあり得ます。
 このような時は、計器を確認すれば、
飛行機が、どのような姿勢になっているかわかりますが、
異常心理になると、計器を信じられなくなり、
自分の感覚が正しいと思う場合があります。
 もちろん、心理的に冷静でも、
雲の形を見て、自分は水平飛行をしていると信じてしまい、
異常な飛行姿勢で飛んでいる場合があります。
高空では、雲は、特殊な形状になると聞いたことがあります。
 人間は、地面の見えないところでは、
感覚が狂ってしまう場合があります。
 極端な話では、地球から遠く離れた宇宙空間では、上も下もありません。
すべてが「相対的」になります。
 さて、夜間の飛行においても、
空間識失調は起こりやすいと言われます。
 これは、自動車のドライバーでも経験するでしょう。
旅行先に夜遅く車で到着した。
翌朝、出発した時に、夜と同じ道なのに、
「こんな道だったとは、驚きだ」という経験があるでしょう。
 夜間は、人間の認識能力は、大きく低下するので、
ベテランドライバーでも、
慣れている道はともかく、初めての道は危険かもしれません。
 ところで、医学的には、
「目」は、大量に酸素を消費する臓器なので、
高空では、酸素不足になり、目にダメージがあると聞いたことがあります。
 さて、私の記憶が確かならば、
織田裕二が主演した「BEST GUY」という映画でも、
空間識失調の場面があったと思います。









































































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